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著:2スレ目 624殿 1永禄四年九月十日、第四次川中島合戦 啄木鳥先鋒を見破った上杉軍が突如八幡原西に出現した事から始まった戦いは 上杉軍の一方的優位のうちに進み武田本隊は、左翼の穴山信君中央の飯富昌景の部隊を残し 壊滅または後退を余儀なくされていた。 伝令「申し上げます。山本道鬼斎殿、本庄越前守の陣に突撃し、斬り死なされたとのこと!」 (`・ω・´)昌景「なんと・・・典厩様、(諸角)豊後守殿に続き、道鬼殿までが・・・。」 伝令「寄せ手が本陣に向けて押し寄せてまいります!」 (`・ω・´)昌景「くっ…妻女山へ向かった兄者や美濃殿が戻るまでここは我等で凌ぎ切らねばなるまい。すぐさま迎撃態勢をとるのだ!」 山県隊は本陣を守りきるべく、上杉軍の猛攻に耐えたが徐々に陣形が崩れはじめ戦場は混乱の様相を呈してきた。 (`・ω・´)昌景「ちぃ、敵の数が多すぎる上朝からの劣勢で士気が萎えておる、このままでは・・・。」 /■\ ,( ´∀`)???「そこの御仁、名の有る将と見たワッショイ!名をお聞かせいただきたい!」 (`・ω・´)昌景「かく言う貴殿こそ先に名乗るのが礼というものではないか!」 /■\ ,( ´∀`)???「そうであったな、我こそは越後一の大力の士「鬼小島」こと小島弥太郎貞興!」 (`・ω・´)昌景「小島・・・鬼小島弥太郎か!」 2鬼小島弥太郎、そう聞いて昌景はすぐにピンと来た。 (`・ω・´)昌景(あの時の長尾の使いか。) 先日、上杉政虎の宣戦布告の使者として武田の本陣に現れたのがこの巨漢であった。 (´∀`)信玄「この度長尾から使わされた使者は奴の幼少からの警護役であり、去る 天文二十二年に長尾が上洛した際、公方様のけしかけようとした狒々を その大力で怯えさせたほどの剛の者だそうな。」 彡`Д´ミ信房「それは敵ながら天晴れでござるな。」 (`メω・´)虎昌「うむ、力だけならばそれ程の者は武田の家中にはおらんやもしれぬ。」 (´∀`)信玄「そう思うであろう・・・それ程の男の狼狽した姿見てみたいと思わんか?」 ( ^ω^)昌豊「お?」 (´∀`)信玄「例の物を連れて参れ」 まもなく小者たちが二人係で引っ張ってきた檻の中を見てその場にいた将兵は絶句した。 そこにいたのは信玄の飼い犬で「人喰い獅子」と恐れられる猛犬である。 (`・ω・´)昌景「御屋形様・・・それは・・・。」 (´∀`)信玄「ははは、さすがの鬼小島もこやつに吠え立てられればさぞかし肝を冷やすであろう。」 (`・ω・´)昌景(やれやれ、時々こういうご無体な事をなさるのだからな・・・。) 間も無く弥太郎が陣中に姿を現した。3 /■\ ,( ´∀`)弥太郎「関東管領の名代として参りました、小島貞興でございますワッショイ。」 (´∀`)信玄「うむ、お使い御苦労。」 /■\ ,( ´∀`)弥太郎「では、さっそくでございますがこの戦の大義名分は我等にあるワッショイ。」 (´∀`)信玄「うむ。」 床机に腰をかけた弥太郎は得々と口上を述べ始めた。武田のものにとってはこの台詞を聞くのはもう四度目になる。 /■\ ,( ´∀`)弥太郎「以上のことからこの北信濃の地は・・・ぐっ!?」 (´∀`)信玄(キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!) 弥太郎の脛部に激痛が走った陣幕の後ろから飛び出した「人喰い獅子」の牙がその肉に深く食い込んでいた。 だが顔を青ざめさせる事となったのは弥太郎ではなく武田の将兵だった。 /■\ ,( ;´∀`)弥太郎「北信濃の地は村上殿ら国人衆の元に返す事こそが天の理というものワッショイ。」 (´∀`)信玄「(なんと、叫び声一つ挙げずに使者の口上を読み終えるとは…。)うむ、貴殿らの言い分はよく解った。だが何度も申しておる通り 北信濃を渡すわけには参らん。どうしてもと申されるなら戦にて決着いたす所存と政虎殿にお伝えくだされ。」 /■\ ,( ;´∀`)弥太郎「承知仕ったワッショイ、その旨しかとお伝え申すが…その前に。」 耳を劈くような甲高い悲鳴が陣中に響いた。弥太郎は脛に喰らいついて離さない「人喰い獅子」の口元を強く握り締めた。 弥太郎の拳は顎を砕かれた「人喰い獅子」の鮮血で染まった。 /■\ ,( ;´∀`)弥太郎「会見の場を汚した無礼者を成敗ワッショイ!!」 弥太郎は「人喰い獅子」を自分の脛から引き剥がすと立ち上がり、そのまま片手で持ち上げると 思い切り地面にたたきつけた。「人喰い獅子」は顔の七つの穴から地を噴出し体を二、三度痙攣させ動かなくなった。 陣中はしんと静まり返ってしまった。 (`・ω・´)昌景(なんとこの男、唐土の樊噲の再来か…。) この男の名と顔は昌景の脳裏に深く刻まれた。4(`・ω・´)昌景「先日の犬殺し、いや獅子殺し殿か!脛の具合はどうでござるか。」 /■\ ( ´∀`)弥太郎「あの程度傷たいした事ないワッショイ!それよりここで遭うたも何かの縁、 一対一の勝負を所望いたすワッショイ!」 (`・ω・´)昌景「お互い余り時間はかけられぬようじゃな、よかろう!お受けいたす。」 こうして二騎の武者がお互い相手に向けて駆け出した。昌景は自身の背丈を越える槍を振りかざし 弥太郎は大薙刀を振るって挑みかかった。体格からすれば勝負はすぐつくかと見られたが 昌景は馬上を飛ぶように動き回って弥太郎の薙刀を受け返し、すきあらば一撃を加えんと狙っていた。 (`・ω・´)昌景「さすがは鬼小島、一撃、一撃が堪える…。早々に蹴りを付けねば。」 /■\ ( ´∀`)弥太郎「くう、あの体躯このわしと三十合以上も渡り合うとは…少しでも気を抜いたらおしまいだワッショイ。」 人並みはずれた巨躯の男と、人並みはずれた矮躯をもつ二人の武者の いつ果てるとも無く続く激戦に終止符を打ったのは一人の伝令であった。5伝令「申し上げます!太郎義信様の軍勢が上杉本隊に突撃を加え、勇戦なされましたが 返り討ちに遭われ現在千曲川方面へ後退中、さらに敵の猛追を受けております!」 (`・ω・´)昌景「なんだと!?(馬鹿な!あれ程御屋形様に持ち場死守を優先されよと、仰せ付かっておられたではないか!)。」 伝令「このままでは右翼が切り崩されまする!」 (`・ω・´)昌景(血気にはやられたか、いずれにせよ義信様に万一の事会っては、御屋形様に…兄者に顔向けが出来ん!) /■\ ( ´∀`)弥太郎「どうしたワッショイ!上の空で俺に勝てるとでも思ったワッショイ!」 (`・ω・´)昌景「あいや、待たれい!!この勝負ひとまず預けてくれぬか!」 /■\ ( ´∀`)弥太郎「なに!?どういうつもりワッショイ!!」 (`・ω・´)昌景「我等が若君、太郎義信様の御身が危ない。わしは卑怯者の誹りを受けてもかまわぬ。 が、主君を見殺しにして何の武士か、恥をしのんでお頼み申す。この場はお許しくだされ。」 /■\ ( ´∀`)弥太郎「…。貴様の行いは本来ならば許されざる卑怯の振る舞いワッショイ。 だが、ここは貴殿の忠節に免じてとがめだては致さぬ。いずれまた戦場で交わる事があれば その時こそ白黒つけてやるワッショイ。ではさらば!!」 (`・ω・´)昌景「・・・かたじけない。」6昌景の救援により義信隊の壊滅だけは避けることが出来た。 妻女山に向かっていた別働隊が八幡原に到着したのはこれより一時間ほど後である。 (`メω・´)虎昌「うおおおおお!!御屋形様、若、源四郎ぉ!!我等が参ったからにはこれ以上寄せ手の好きにはさせぬ!!」 これにより一気に形勢は逆転、その日の三時ごろには上杉軍は完全に戦場から退却した。 (`メω・´)虎昌「おおおおおお!源四郎、心配しておったのだぞ!!」 (;゙゚'ω゚')昌景「あ、あにじゃ…くるし…。」 (`メω・´)虎昌「おお、すまなかった。しかしおぬし槍の柄が太刀傷だらけじゃが…足軽相手ではそのような角度の傷はつくまい。一騎討ちでもやったか。」 (`・ω・´)昌景「はぁ、実は寄せ手の小島弥太郎殿とやりあったのでござる。決着をつけずに投げ出してしまったのですが…。」 (`メω・´)虎昌「なんと!先日の鬼小島か!あの化け物と討ちあうとは…。」 (`・ω・´)昌景「いやいや、鬼小島などとはとんでもない。かの者こそ花も実もあるまことの武士でござる。兄者も某もあの男には礼を申さねばなりますまい。」 (`メω・´)虎昌「???」
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Reなごやん卓 コミュニティの最初のころから作成されている卓のリメイク 卓主 みやび 使用サプリ、ルール等 改定版Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、EXが基本 EX12頁「戦闘特技改訂(選択ルール)」(イグニスブレイズ) EX100頁「妖精魔法改訂(選択ルール)」(ウィザーズドゥーム) が適用されます。 キャラクター作成ルール 種族は人族のみ。蛮族PCは不可 プリーストは、第二の剣イグニスの神 及び 狂神ラーリス を信仰することは不可。 どんな小神でも、消費MP上昇はしない。 アルケミスト、ウォーリーダー、ミスティック、デーモンルーラーも不可 生まれ、種族は任意で決定可能。 能力値は、各能力値ごとに3回ダイスを振り、一番良い目を選択可能。 経験点初期値+12000点 初期所持金+1800ガメル タグには「Reなごやん卓」とつけること PCはPLごとに1人まで レベル上限ルール 現状、レベルは7まで、ただし、フェンサーとシューターは8まで、とする。技能はいくつとってもいいが、上限を超えるレベルにしてはいけない。 キャンペーンが進み次第、上限は適宜上昇する。
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◎魔王城 ・アスタ 役・性格・立場見せ ・魔王 役・性格・立場見せ ●任務発令 ・各部隊の関係見せ ・補給団長の期待(→事情) ◎城門前 ・イクカ・ジュン 役・性格・立場見せ ●出発 ◎町(情報収集のため) ・勇者PT登場、ちらっと性格見せ シパトが値切ったり勇者が銅の剣とか →「装備やべええええ」 ●武器作戦 →「盗賊に渡させる」 ◎第一ダンジョン(森) ●盗賊イベント ・勇者PT性格見せ(勇者無能見せ) ●中ボス戦 (「大丈夫、ここのボスは俺の叔父さんだ)もアリ) 血だまりスケッチ→ジュン「あ、さっき斬っちゃった」中ボス「さすがに戦えません」 →新たにボスを用意しなければならなくなった\(^o^)/(魔王「中ボスはいなければ駄目であろう!」} ◎魔王城 →城あたりからスカウト?補給団長? ◎第二ダンジョン ○魔王発案で急遽砂漠に →砂漠まで誘導+メレ・シパ動機付け作戦浮上 ○ワープゾーン作るよ! →アスタ、疲れ果てる(Mp0化) ●中ボス戦 →勇者ぶっ飛ばしていただいてホント余計な手間をこのやろう。 ◎魔王城 ●魔王の発案による「伝説の武器」作戦発令 ◎第三ダンジョン(山?) ●「伝説の武器」作戦 ●中ボス(武器を守るモンスター?) →しかし死ぬほど弱いのでアスタたちが「手下」として実際に戦わざるを得ない(唯一の直接戦闘) ↑そしてジュンさんが手加減してくれない ◎魔王城 ・勇者が魔王城に着いた時点で任務完了 名前 コメント だいたいのメモっていうか備忘録っていうか、ちょっと自分用に整理しただけ しかしフォーマット安定してないなあ・・・分かりにくい 何かあったら付け足し願います ストーリー上の出来事" 本編に入れること 会話その他に入れること※流れに応じて本編にぶちこむっていうか赤と青あんまり差ぁないかも はっきり書かなくても伝われば良い。 ただゲームの文章は基本的に読み返すことができないので、一読して分かるように 世界設定 だいたい100年に1度勇者が魔王を倒す →勇者は託宣という名のくじ引きで選ばれる(→今回の勇者が弱いのもそれが理由) ↑そもそも魔王が「おもてなし」するため今までの勇者はみんな魔王を倒したことになっているのか。 だから「弱くても倒せるのは神の云々」でくじ引きになってるのかね。 魔王の「おもてなし」は王国のほうには知られていないでFA? 正直あの魔王、あんまり世界を脅かしそうにないよな オープニング~ 伝令、勇者の出立を報告 →魔王は勇者が大好きなので演出しておもてなしします →予想より早いので準備が整っていない →人手が足りない →伝令が勇者の案内役に抜擢 →人型で若くて手が空いていたため ↑人型も大きくなると角が生えるので若くなければならない まあこの設定はあってもなくても・・・(イクカあたりは角が生えるところが想像できん) しかし伝令(アスタ)は補給部隊 ていうかもともと補給部隊なんだけど、補給は軽視されているので伝令とかの雑用もやってる 本職は補給(アイテム係)だよ! →軽視されてる補給部隊隊員に名誉ある役目が与えられたのでプライド高い騎士団(近衛?)と魔術師団が立ち上がる →仲間が増える ↑「モヤシ」に反応して魔術師団からイクカが抜擢、「脳筋」に反応して騎士団からジュンが抜擢 …ていうか逆に言えば魔術師団の中で15歳女子が一番たくましいってことだよな。騎士団の中で変態ねえさんが最も思考力があるってことだよな。 まあイクカに体育会系師匠がいるなら、彼が本当は推されていたのかも知れないが →城門前で邂逅(それまでお互い名前を聞いたこともない感じで) イクカのたくましさはここで示しておく(それこそ城の周りランニング、筋トレ、あと大魔法を考えなしにどーん) →しゅっぱつ アスタは補給部隊の星→アイテムは言えば言っただけ支給してもらえる (なのでアスタはアイテムを技として使えるんじゃないかな!)(あるいは扱いが難しいとか) 魔王、世界は脅かしそうにないがあっちゃこっちゃでいらん迷惑はかけてそうである -- 猫草 (2011-04-25 21 13 30) むしろおもてなししたいがために世界を脅かしそうである -- 小豆 (2011-04-25 22 39 49) 王国側には知られてないでFAお願いします。 -- 小豆 (2011-04-25 22 40 46) なんという構ってちゃんww -- 猫草 (2011-04-26 00 28 04) 魔王うぜえええwww -- 蒲 (2011-04-26 13 03 24) 名前 コメント
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第1章 団長の帰還 マンダラ城の、とある酒場にてTS7は雨を降らしている空を窓から見上げた。 TS7「嫌な天気ですね^^;」 そう独り言のように呟くが目の前には落ち着いた感じの青年が二人座っており、 同じく窓の外を眺めながらコップに入った蜂蜜酒を煽っている。 窓側に座っているのは、こじろうと言った。彼はマンダラ城でもトップクラスの戦士であり、 かつ博識であることからヨールン王国からの信頼も厚い男だ。 そして通路側に座っているのはsea。こちらもマンダラではトップクラスの魔法師であり、 ヨールン魔法学院の教鞭もとっている。 そして先ほど天気について呟いたのはTS7。 彼はロボットでありながらエクソシスト(退魔師)をしており、 同じくマンダラではトップクラスの実力の持ち主である。 どうしてこんな職業も違うマンダラのトップクラスが3人も酒場の窓際の席に集まっているか。 それは彼らの所属するギルドが同じだからである。 この世界には3つの勢力があり、彼らが所属するヨールン王国、デリスカ領、聖フリージ公国がそれにあたる。 この3つの勢力は常に争いを続けているが、ひとつだけ例外があり、それがギルドと呼ばれる組織である。 同じ目的を持った者同士で集まり、その目的を遂行するために動く。 彼らが所属するギルド「ヨールン一般市民」というギルドにもヨールンだけではなくデリスカ、フリージに国籍が ある者も何人も所属している。 そして彼らヨールン一般市民の創設者であり現在のマスターであるハルメリアは昨年終結した戦争後、 行方がわからなくなってしまった。 仮にTS7がマスター代理を務めるという形になっている。 TS7「団長、かえってこないかな~^^;」 こじろう「会ってみたいですね。」 sea「会ったことあるのTSさんだけ?」 TS7「いえ、ヨールン女王とクリステルさんもあるはずです>w<v」 sea「そうなんだ。」 ハルメリアがいなくなった当時、ギルドには4名しか所属していなかった。 しかし現在ではすでに50名前後のメンバーが終結している。 そしてなんと、ギルドメンバーの中の一人にヨールン王国の女王が混ざっているのである。 彼女は公務に追われる身分だが、たまにギルドに姿を現す。 TS7がこじろうやseaなどメンバー集めを続けこの世界において蒼の騎士団に次ぐ第2位のギルドにまで発展した。 ただし、マスターが消息不明という緊急事態ではあるが。 むちむち「まあ、考えていても仕方がないので飲みましょ。」 こじろう「むちさんそんな飲んだら体壊すよ?」 人数分の酒を持ってTS7の隣に座ったのはむちむちと呼ばれる戦士であった。 彼も一流の戦士であり、何より話術に長けていた。 現在のギルドメンバーのほとんどが彼のスカウトによって入団していると言っても過言ではない。 現にこの酒場のマスターともすぐにうちとけて仲良くなりギルドの公式な溜り場とさせてもらっている。 そうこうしているうちに、任務中であったメンバーや様々な用事を終わらせたメンバーが集まり始める。 酒場は一般客も混じってはいるもののほとんどの席がヨールン一般市民のメンバーで埋められ、 次第に酒もまわりはじめいつものように宴状態となっていった。 ハルメリアのことをTS7が「団長」と呼ぶため、いつしか彼の愛称はギルド内で「団長」となっていった。 しかし数名を除いて誰も会ったことがないため、噂が噂をよび、伝説化してしまっている。 ウェイトレス「きゃああああ!」 ガチャガチャーン!! 酒場の一角でウェイトレスの叫び声とグラスを落として割れる音が聞こえた。 しかし宴と化している酒場では見慣れた光景となっており、誰も注視するものはいなかった。 一般客が起こしたトラブルではなく、ギルドメンバーだと完全に全員が思い込んだのだろう。 またチャトゥルティあたりが酔っ払ってウェイトレスの尻でも触ったか、というある種の話の種になりながら。 ウェイトレス「なにするんですか!あなた誰ですか!」 この叫び声が酒場の空気を一瞬で凍りつかせた。 ギルドメンバーの仕業ではないことが意外だったというのもあるが、これだけギルドメンバーがそろっている酒場で、 粗相をした人間がいるのだ。 sea「どうしたんだろう。」 こじろう「行ってみる?」 むちむち「おもしろそうなのだったらうちのギルドに入れちゃおうよ。」 そのテーブルに座っていた4人は騒ぎの方へ酒を片手に人だかりをかきわけながら歩み寄る。 そこには一人のアサシンのように見える者が笑いながら、怒るウェイトレスとやり取りしていた。 sea「何者だ?」 こじろう「おい、ウェイトレスが困ってるじゃないか!」 二人が止めに入る。 むちむちは面白そうにその光景を眺めながら隣にいるTS7に声をかけた。 しかし返答がなかったのでTS7の方を見た。 その瞬間、TS7は持っていた蜂蜜酒のジョッキを床に落とした。 seaとこじろうも怪訝そうにTS7を見る。 TS7「だ・・・団長!」 そのTS7の言葉にこじろうとseaとむちむちは団長と呼ばれたヘラヘラしている男にすぐさま視線を戻した。 sea(まじか・・・) こじろう(まじか・・・) むちむち(面白くなりそうだ) 約1名を除き、おそらくそのとき酒場にいたほぼ全員が頭をかかえそうになった。 なにしろ、これだけ注目を浴びているにも関わらず、そんなことを気にする様子もなく ウェイトレスのスカートを強引に捲り上げようとしているのだ。 TS7「団長、おしさしぶりです!!」 ハルメリア「モス」 TS7「紹介しますね、この人がこのギルドの団長です^^」 sea「ど・・・どうも・・・」 こじろう「はじめまして。」 seaとこじろうを筆頭にメンバーが次々とギルドマスターに「はじめまして」の挨拶をするという異様な光景である。 ハルメリアは思いのほかちゃんとこちらに体と顔を向け、それに対応する。 だが、発する言葉は「モス」のみなのだが。 TS7「団長、いままでどこに??」 ハルメリア「おぼえとらん。というか人いっぱいになったね!」 TS7「がんばりました^^」 ハルメリア「さすがてっちゃん」 TS7「てっちゃんっていうのは私のことでしょうか??」 ハルメリアは特にTS7の質問に応えるわけでもなく、自分を取り巻いているギルドメンバーを見回した。 ハルメリア「おっけー、了解。大体把握した。」 ハルメリアは独り言を言ったがTS7を除いて誰も理解ができなかった。 sea「TSさん、団長は何を把握したの?」 TS7「このギルドの体制や組織の感覚ですよ^^v」 こじろう「まさか~。」 TS7「その、まさかなんですw」 ハルメリア「最近は蒼きが幅を利かせてるみたいだな。」 sea「そうなんです、エリック、ブラックドラゴン、ザーブはすべて彼らの手中にあります。」 seaが言ったエリック、ブラックドラゴン、サーブとはヨールン王国、デリスカ領、聖フリージ公国のそれぞれの首都、 マンダラ城、レッドストーン城、ナシャー港の中心にあるカモス平原という場所に建てられた3つの城であり、 この3つの城が各拠点の攻略において有効な中継基地となる。 また、カモス平原にあるダークムーンなどの今でも宝が眠っているとされているダンジョンの攻略の足がかりとしても利用されている。 ハルメリア「んじゃ、エリックから取り返すか。」 ハルメリアのそんな軽い言葉が酒場をざわめかせた。 そして続いてこう言った。 ハルメリア「総指揮てっちゃん、軍師しーやん、部隊長こじこじ、ぜんさん、むっちゃん、チャトさん。んでしーやん、各部隊のメンバー構成はまかせる。部隊長は各部隊の部隊名を決めておいて~。」 急に帰ってきた団長が、疾風怒濤の勢いで指示を出す。 確かに、誰もがその任命は適任だと思ったが、それ以上に誰もが思った。 全員(あんた何するんだ?) 第2章 エリック城奪還作戦 sea「以上が、今回の作戦です。作戦開始は本日1600。各自部隊へ戻って作戦開始まで作戦内容の確認をお願いします。」 TS7「以上、解散します^^」 TS7がそう締めくくると、酒場のテーブルに座っていた6人は一斉に各テーブルへ戻った。 6人とは総指揮であるTS7、軍師sea、部隊長であるこじろう、zehn、むちむち、チャトゥルティである。 このギルドのマスターであるハルメリアの姿はなかった。 彼は昨日ふらっと戻ってきて指示を出し、なにかあったら連絡をくれとだけ残して酒場に飲みにきていた女性数人と出て行った。 もちろん連絡先などまったく言わずに。 こうしてエリック城奪還作戦はギルドマスターであるハルメリア抜きで始まったのである。 sea「妙ですね。静かすぎる。」 こじろう「待ち伏せかな?」 チャトゥルティ「いいじゃん、残ってる奴ら殺しまくろうw」 むちむち「昨日の今日だよ?敵も準備なんてできていないでしょう。w」 TS7「なんにせよ、伏兵に注意してください^^全軍突撃!」 城門はすでに開いている。 普段は閉じており、まず城門を開けることから始まるのだが、今回はそのまま城内に侵入することができた。 やはり城に残っている敵の数があまりにも少ない。 4つの部隊をさらに二つに分け、zehnとむちむちの部隊が伏兵の確認にまわったが、伏兵の心配も杞憂に終わった。 TS7「何にせよ、このまま一気に落としましょう!zehnさん部隊は城門を閉めて援軍のシャットアウトをお願いします!」 sea「むちさん、城門の上から援軍の警戒をしてください。ぜんさんのとこは城門を閉めた後にむちさんと合流して引続き警戒を。」 そう指示を飛ばし残った部隊で城旗前まで兵を進めた。 さすがに無人というわけではなく旗前には蒼き騎士団のメンバーと城を防衛する兵士たちが柵をかまえて待ち受けていた。 「敵襲〜〜〜!!!」 「総員戦闘配備!!」 と敵が身構える。全力でこちらを迎え撃つ態勢だ。 チャトゥルティ「死にたい奴はどいつだ!!」 チャトゥルティが部隊の戦闘に立ち、武器を掲げて敵の中に突撃した。 続いて従っている兵たちも突撃し、乱戦となった。 乱戦の中にこじろうがさらに突撃を行い、1対1を2対1、3対1とし数の有利で押し進める。 こうなってしまえば乱戦において無駄に兵を死なせることになってしまうので守りを固めていた兵も乱戦に加入する。 矢や魔法が飛び交う中、TS7は思慮した。 TS7(やっぱりおかしいですね。まさか、、、) TS7とseaは乱戦の外から弓と魔法で援護を行う。 彼らの腕はやはり一流ということもあり、前線は旗の方へと押し進められていった。 そこへ伝令が入る。伝令兵は肩で息をし、事実のみを伝えた。 伝令兵「TS様、情報が入りました!サーブ城が陥落したとのことです!」 TS7「!!!!!!」 sea「!!!!!」 二人は驚いた。蒼き騎士団に対抗できるギルドなんてヨールン一般市民くらいしか考えられない。 その全部隊がここエリックにいて、何故サーブが落ちる。 TS7「サーブを落としたのは???」 伝令兵「猫厨というギルドだそうです。」 sea「カレンのいるギルドですね。彼女は確かに強いが、あのギルド自体人数が少なくて太刀打ちなどできないはずだが。」 伝令兵「どうやら複数のギルドでまとまって攻めたようです。」 sea「よくギルド同士でまとまれたな。落ち延びた兵たちはどうなった?」 伝令兵「落ち延びたメンバーや兵はブラックドラゴン城に向かったそうです。」 sea「そうか、でもなぜエリックに援軍がないんだ。」 伝令兵「詳しい事はわかりませんが、サーブのカレンより伝言を承っております。」 TS7「カレンさんから?」 伝令兵「もしエリックを落とす事ができたら、守りの兵をエリックへ置いてすぐさまブラックドラゴンへ向かってほしい。ハルメリアが独りで戦っているはずだ。と。」 TS7「!!!!!」 sea「!!!!」 TS7「なんで先にそれを言わないんだ!!!!」 温厚なTS7が珍しく怒っている。 そんなTS7を初めて見るseaも驚いている。 TS7は馬を反転させ、駈けようとしたが、その進路にseaが立ちふさがる。 sea「よせ、TSさんがいなければ総指揮はどうなる!」 TS7「団長を助けるんです!どいてください!」 sea「無理だよ!TSさんだけ行っても無駄死にになるだけだ!」 TS7「いいんです!団長だけ死なせるわけにはいかな」 とまで言い、TS7は顔に水をかけられ話を続けることができなかった。 seaがTS7に魔法の水をかけたのだ。 sea「団長を助けに行くのはみんないっしょだ!いまはエリックを落とす事を考えよう。」 TS7「•••」 sea「いこう。なんとでもはやくエリックを落とそう!」 こじろうとチャトゥルティは乱戦にTS7とseaが入ってくるのを見て驚愕した。 こじろう「ちょっとTSさん!なんでこんなとこにいるの!」 チャトゥルティ「危ないって!」 彼らは武器を振るいながらも総指揮と軍師を諌める。 しかし彼らの耳には届いておらず、彼らは一直線に城旗を目指している。 こじろう「くそっ!作戦が台無しじゃないか!」 チャトゥルティ「おい、うちの部隊の伝令はどこだ!むちさんを呼び戻せ!」 元々相手が大きなギルドなだけあって守っている部隊が少ないといってもヨールン一般市民も二手に分かれているのでその数は互角だった。 そんな戦いに総指揮と軍師を欠いてしまえばこちらの士気に関わり一気に劣勢となるだろう。 せめて数だけは有利に、とチャトゥルティはむちむちをここへ参戦させることを選んだ。 伝令はすぐさま城門へ向かうべく馬を走らせた。 sea「TSさん、そろそろエリックの伝令がブラックドラゴンにも到着しているはず。サーブの残党がブラックドラゴンに入るのも時間の問題だと思う。」 TS7「団長の身とエリックへの援軍が心配ですね。」 二人は乱戦の中を向かってくる兵だけをなぎ倒しながら旗を目指している。すでに周りには味方はおらず、乱戦に加わろうとする敵兵の中を突っ走る形となっている。 TS7「しーさん、ここはまかせていい?」 sea「TSさんどうする気!?」 TS7「旗を折ってきます。」 もはやこの四面楚歌になっている状況で、それにかけるしかないと判断したseaは静かに頷いた。 sea「たのみます。」 TS7「お願いします!」 TS7はそう言い、姿を消した。ステルス状態になったTS7はさらにスピードをあげ、旗へと急ぐ。 周りに誰もいないことを確認したseaはその場で止まり、深呼吸をした。 sea「さて、新しい魔法でも試してみようかな。」 独り言をいったseaが魔法の詠唱をはじめる。 大気が震え、少しずつまわりの空気の温度があがりはじめた。 魔法を構成する要素は、火、氷、雷、光、闇、毒の6つがある。 sea「さて派手にいこうか。大魔法マグマフィールド!!!!!」 地面に巨大な魔法陣が出現し、大気が一気に加熱される。 その瞬間、地面に描かれた巨大な魔法陣が一気にマグマへと変わる。 seaを取り囲んでいた敵兵は一瞬にして燃え尽きる。 上級の魔法師のみが使用できる大魔法のひとつが目の前で展開され、ギリギリ魔法陣の外にいた敵は完全にその足をとめ、逃げるものさえもいた。 sea「おっと、逃がしませんよ。ファイアウォール!!」 逃げようとした敵は火の壁によって退路を断たれうろたえる。 火の魔法を連発するseaをめがけて、氷の槍が飛んできた。 sea「ファイアボール!!」 seaはその氷の槍を火の魔法で打ち消し、魔法の発動場所を見た。 sea「なるほど、あなたが私の相手ですか。」 そこには髪の長い碧眼の女性が次の魔法の詠唱をしていた。 小柄で華奢ではあるが、魔法力は蒼き騎士団の中ではトップクラスである。 名前はフィリアといって、seaとは因縁の対決であった。 彼らがまだ魔法学院の生徒だったころからの因縁である。 魔法学院の成績では結局、seaが主席、フィリアが次席であったが、seaは学院の教鞭をふるっている中、 フィリアは国お抱えの魔法師として度々出陣をこなしているため、結局実力の差は同じくらいのままであった。 そのフィリアが詠唱を完了させ、叫ぶ。 フィリア「大魔法マグマフィールド!!!」 先ほどseaが見せたものと同じ魔法を彼女も使った。 魔方陣はseaを中心として発動しているためseaに逃げ場はなかった。 sea「大魔法ブリザード!!!」 seaはフィリアのマグマフィールドに対して氷の大魔法を放った。 辺りはマグマで解ける氷が水蒸気になり視界がまったくない状態となった。 それでも二人は魔法の応酬をやめなかった。 フィリア「クリスタルグレイブ!!」 sea「ファイアボール!!」 フィリア「アイスアロー!」 sea「ファイアウォール!!」 フィリアの魔法をなんとか反対属性の魔法で打ち消すsea。 遠くから見守っている兵達は、一見seaが押されているかのように見えた。 フィリア「アイスレイン!!」 さらに追い討ちをかけるかのようにフィリアが氷を一面に降らせる魔法を唱えた。 しかし、次の瞬間フィリアの顔に緊張の表情が張り付いた。 sea「天空魔法メテオシャワー!!!」 フィリア「なっ・・・古代魔法を詠唱もなしで!?」 振ってくる氷は無常にも音速を超えて降り注ぐ隕石群に蒸発させられ、無常にも消えうせる。 フィリア「マジックコート!!!」 フィリアは自分に魔法の耐性を大幅に上げる魔法をかけたが、それでも古代魔法のひとつの威力は協力だった。 フィリア「きゃああああっ!!!」 大爆音とともに城全体、いやその地域すべてに揺れが走る。 フィリアは魔法をマジックコートの上からではあるが直撃し、気絶。 その場所に倒れて動かなくなっていた。 sea「はぁっ、はぁっ」 seaも魔法の連発に加え詠唱なしでの古代魔法にそのほとんどの魔力をもっていかれ、肩で息をしていた。 しかし、地に手をつけることはなかった。 すぐさままだ残っている敵を睨み付けるとこう言った。 sea「まだ、やりますか?」 そう言ったseaの手には派手な雷撃が纏われている。 雷魔法のライトニングボルトだ。 それを見た敵兵はすぐさま踵をかえしその場から逃げ去った。 一方、乱戦を続けていたこじろう、チャトゥルティは敵に包囲されていた。 こじろう「くそっ!TSさんとしーやんどうなってるんだ!」 チャトゥルティ「いまさら愚痴いったってしょうがない!」 乱戦において囲まれてしまうと完全に致命的な損害が出てしまう。 こじろうとチャトゥルティも必死に武器を振るっていたが、彼らの軍、彼ら自身もボロボロに傷つき、疲弊していた。 そこへ1時間ほど前に伝令を出していた効果が現れる。 むちむち「ごめんよぉ、待たせたねぇ!」 むちむちが城門から援軍として駆けつけたのである。 こじろう「来た!全員反転!むちむち部隊と合流する!!!」 チャトゥルティ「しんがりはまかせろい!」 城の入り口から向かってきたむちむちの軍に、こじろう隊とチャト隊が合流すべく逆流をはじめた。 この時点でむちむち隊とこじろう隊、チャト隊の間にいた包囲網は挟み撃ちにあい、一瞬で消滅する。 こじろう隊とチャト隊は変わらず横からと後ろから包囲網を敷かれている状態だが、それもむちむち隊によりすぐさま解消される。 こじろう隊とチャト隊は一度むちむち隊の後ろまで後退し、戦列および態勢をたてなおし、再び反転した。 ここで一気に形成が逆転し霧散した包囲網を敷いていた敵部隊を再びぶつかる。 こうして、ヨールン一般市民軍は乱戦を制した。 その頃、TS7は旗前まで辿り着いていた。 TS7「こ・・・これは厳しいかも・・・」 彼は単独で旗前までくることができたが、旗前には想像以上に防衛兵がいたのだ。 投石までもがスタンバイしている状況でTS7は必死に弓を引き絞る。 手はすでに血だらけになり、引いている弓弦も真っ赤に染まっている。 そしてTS7は敵兵を弓で倒しながらも旗の棒の部分に何本か弓を射っていた。 同じ場所に何本も打ち込めばかならず旗は折れる。 乱戦もseaも置き去りにしてきた。 もはや総指揮としては失格であろう。この旗を折って帰らなければ何も残らない。 彼の責任感と使命感の大きさは弓の指貫にしみ込んだ血の量を見れば明らかだろう。 そしてもう1本、旗に矢を打ち込もうとした瞬間、何者かに横から殴られTS7は十数メートル吹き飛ばされた。 TS7はすぐさま起き上がり、敵を見た。 TS7「こ、こんなときに限って・・・!」 敵はエクソシスト界では有名なグルヴェイグだった。 彼女は人間の大人より遥かに重いロボットであるTS7を弓で殴って吹き飛ばしたのだった。 3国共同で設立されたエクソシスト協会に所属し、フレイヤの異名をもつ四天王の一人だった。 TS7「邪魔しないでください・・・って言っても無理ですよね^^;」 グルヴェイグ「無論だ。すぐに立ち去ってもらう。」 TS7「意外と優しいんですね^^生きて帰れないかと思いました。」 二人の空気がピリピリと緊張を帯びていく。 何秒か経過したあと、少し離れた場所で大きな音がなり、地響きが走った。 それを合図にするかのように二人が一斉に動いた。 TS7は持っている弓で矢を放つ。 グルヴェイグも弓を引き絞り迎え撃つ。 TS7は目の前で起きた出来事に驚愕した。 TS7「な、なんでそんなことができるんですか・・・」 グルヴェイグ「あなたもやろうと思えばできるんでしょう?愚問ね。」 TS7が放った矢をグルヴェイグは矢で打ち落としたのだ。 お互いが馬を翻し何度も矢を放つ。 さすがに埒があかないと判断したのか、二人は馬をおりた。 TS7とグルヴェイグの戦いを見ていた兵たちがざわついた。 馬からおりた瞬間に二人の姿が消えたのだ。 馬はかれらの元からすぐに離れた。 二人の戦いは人知を超えていた。 絶えず高速移動しているいのがわかるが、その姿は誰にも見えなかった。 空中でいくつも衝撃波が走る。 どうやら衝撃波が走っている場所でぶつかり合っているのであろう。 すでに弓からそれぞれの武器に持ち替え、激しい戦いを繰りひろげている。 3~4分が経過したあたりで二人の姿が馬がいた位置に現れた。 兵たちは歓声をあげる。 そこにはボロボロに傷つき、片ひざを地面についているTS7の姿と 無傷のまま武器を収めるグルヴェイグの姿だった。 しかしグルヴェイグの表情が険しい。 グルヴェイグ「やるな。次会った時が楽しみだ。純粋に戦ってみたい。」 TS7「あ、ありがとうございます・・・。私はできればもう戦いたくないかもしれません。」 グルヴェイグ「つれないな。また会おう。」 明らかにグルヴェイグの勝ちの状況でグルヴェイグが退却の合図を出した。 兵たちは歓声を送っていたが、今は状況が飲み込めず静まり返っている。 そんな静寂の中、何かが折れる音がした。 TS7「と・・・とった・・・」 エリック城に掲げられた蒼き騎士団の城旗であった。 TS7はグルヴェイグと戦っている最中も武器を弓に持ち替え、旗に矢を打ち込んでいたのだった。 同じ場所を正確に射抜き続けてついに旗を折ったのだ。 それを悟ったグルヴェイグが負けを認めて去ったのだ。 こうして、エリック城での戦いはついに幕引きとなる。
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ある日の夜、私はベッドに腰かけてギターの練習をしていた。 まぁそれ自体は何も特別なことじゃないんだけど…問題なのは場所だ。 今私がいるのは、自分の部屋ではない。ましてや、自宅でもない。ではどこかというと…… ガチャ 唯「ふ~、あずにゃんおまたせ~♪」 梓「あ、唯先輩…」 扉を開けて部屋に入ってきたのは、お風呂上がりの唯先輩…そう、今日私は平沢家に泊まっているのだ。 まぁ名目上はギターの練習ということになっているんだけど、実際は…まぁ、二人で……その、色々するためだ。 唯「まだ練習してたんだね。お疲れさまっ♪」 梓「い…いえ、今終わりにしようと思ってたところです」 唯「そっか♪横、座ってもいい?」 梓「ど、どうぞ」 唯「ありがとー♪よっと…」 梓「……」 湿っぽい髪から香る、シャンプーの匂い。私を映す、つぶらな瞳。赤く火照った頬。弾力のありそうな、ピンクの唇…唯先輩を彩る一つ一つの魅力が、妖しく私を惑わせる。 …唯先輩、かわいいな。もちろん普段もかわいいんだけど…今は特別にかわいい。 ど、どうしよう私…すごくドキドキしてる……が、我慢できない…… 梓「ゆ…唯……唯先輩っ……!!」 唯「わっ……!!」 唯「…あ、あずにゃん」 唯先輩に抱きつくと、私の胸に柔らかいものがひしゃげる。 決して大きいとは言えないかもしれないけど、決して小さいというわけでもない、唯先輩の胸。 ま…まずい……私…… 梓「あっ…あの……」 唯「…触りたい?」 梓「はい……私、なんか…もう、ダメみたいです」 唯「あはは、今日のあずにゃんはせっかちだね?…いいよ。触って?」 梓「……」 私は唯先輩の胸に手のひらを重ねた。 お風呂上がりで寝る前、さらにこういうことをするのを前提とするなら、薄いシャツの下には何もつけていないわけで。 私の手のひらには唯先輩の胸の感触がほぼそのまま感じられるわけで…ま、まずい…… 梓「はぁ、はぁ……ゆ…ゆい…せ……」 唯「…あっ…あずにゃ…い…いい……よ?んぅ…んっ……!!」 私は唯先輩に唇を重ねた。本能の赴くままに、私の舌は唯先輩を求めていく。 あぁ、私はこの人のことが好き。好きすぎて、頭がおかしくなってしまいそう。好き、好き、好き、好き、好きっ……! 梓「んはぁっ……はぁっ、はっ……唯…せ…ゅっ……」 唯「あ…ず……んっ……!ぁうっ……!」 ――そして暗闇の中、私たちはお互いの体を求め合った。 翌日、いつものように皆でお茶を飲んでいると…… 唯「ふわ~ぁ……」 梓「ふわ~ぁ……」 紬「…ねぇ唯ちゃん」 唯「なあに?」 紬「唯ちゃんのお家って、この時期に蚊が出るの?」 唯「え?出るわけないじゃん、なんで?」 紬「だって…首のとこ赤くなってるから♪」 唯「えっ!?」 梓「ぶー!!」 澪「梓……」 私はお茶を澪先輩に盛大にぶっかけてしまったけど、そんなことはどうでもいい。 ムギ先輩が指摘した、唯先輩の首の赤い跡。その理由は何を隠そう、昨晩の私……こ、これはまずい! 唯「そ、そうかな!?あはは、き、気のせいだよ♪」 梓「そ、そうですよ!多分ただのあせもです!」 紬「あせも、ねぇ…」 律「……///」 澪「……///」 紬「唯ちゃん、一つ気になってたんだけど、どうして今日は梓ちゃんと同じシャンプーの匂いがするのかしら?」 唯「あっ!い、いや、その……」 紬「それに…梓ちゃんが着てるブラウス、少しサイズが大きいみたいだけど、どうしたのかしら?」 梓「う…それは……」 紬「うふふ♪」 昨日乾かなかったから唯先輩に借りた…なんて言えない…! うう、ムギ先輩のバカぁ……!! 律「…澪」 澪「あぁ、気をつけよう…」 その夜、再び唯先輩の家にて…… 唯「ねぇあずにゃん…今日はどうしてもダメなの?」 梓「あ、当たり前です!昨日の今日でそんなことできません!まったく、唯先輩は少し自制心を持ってください!」 唯「…昨日はあずにゃんからしてきたじゃん。だいたいそういうなら私の家に泊まらなきゃいいのに。あずにゃんの意地悪」 梓「唯先輩……」キュン…♪ あ、私唯先輩に求められてドキドキしてる……? もちろん私も唯先輩を求めてるわけで…あぁ、また私興奮してきちゃった…… 梓「ま、まぁ…どうしてもっていうなら、いいですよ?私だって鬼じゃありません」 唯「じゃあ…今日はこうしよう」 唯先輩はシャツの上から私の胸を撫でた。 その絶妙な手付きに私の体はびくっと震えて…スイッチ、オン。 梓「あんっ…♪ちょ、唯先輩、いきなりダメです…ん……♪」 唯「ん…はっ…そ……そんなこと…言って…っ…あっ…ずにゃ…だって…もう……」 梓「…だっ…て……気持ちいいんだもん……♪んちゅ……」 唯「ふふっ…♪やぁ…んっ……♪あんまりちゅーちゅーしちゃダメえ……♪」 ――そして今夜も、私たちはお互いを求め合ったのだった。 さらに翌日、お茶の時間 紬「…ど、どうして唯ちゃんとりっちゃんの首はこんなに赤いのかしら?」 唯「やだなぁムギちゃん…聞くのは野暮ってやつだよ♪」 律「そ!これは愛の結晶みたいなもんだからな!」 紬「ひ、開き直るなんて……」 そう、愛の営みの結晶に隠しだてはいらない。堂々とすべきなのだ。 私たちだけではない。澪先輩たちも、それを実行している! 梓「…澪先輩、昨晩は…?」 澪「うん…梓も?ところで律ったらさ、私の胸に顔乗せると赤ちゃんみたいでかわいいんだよ♪前髪下ろして『みおー…』なんて呟いた日にはもう……♪」 梓「唯先輩だって!私が服を脱がせてあげると『あずにゃん…』なんて心細そうに言うんです!もうホント、食べちゃいたいです♪」 紬「…負けた……けど、勝った!!」グッ 終わり 唯梓スキーで律澪スキーな私にとって正に神作! -- (通りすがりの百合スキー) 2011-01-03 23 03 00 このシリーズの作者さん好きだな/// -- (鯖猫) 2012-09-04 03 50 40 名前 感想/コメント: すべてのコメントを見る
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藤岡意見書(大阪高裁提出資料)3/3 平成20年7月28日 藤岡 信勝 PDFソース:http //www.jiyuu-shikan.org/pdf/ikensho.pdf 藤岡意見書(大阪高裁提出資料)1/3 藤岡意見書(大阪高裁提出資料)2/3 藤岡意見書(大阪高裁提出資料)3/3第三 本田靖春ルポにおける宮平証言との食い違いについての分析(つづき) 第三 本田靖春ルポにおける宮平証言との食い違いについての分析(つづき) 上の本田の文章を私から送られたファックスで読んで秀幸は困惑したようだ。自分が語るはずのないことが、自分の言葉であるかのように書かれていたからである。深夜、高月で、本田にこのような話をした記憶がそもそもはっきりしないと秀幸はいう。しかし、本田がわざわざ意図的に取材源を秀幸であると偽って書く理由はないと思われるので、本田が書いている通りのシチュエーションで秀幸が証言したという前提で以下の検討を進める。 最大の問題点は、本田の文章では、秀幸が家族とともに壕の中にいて、そこへ役場の「伝達員」が忠魂碑前に集まるようにとの伝令をもってきたように書かれていることである。実際はその時、秀幸は家族の壕にはいなかった。私は改めて三月二十五日の秀幸の行動を確認した。 それによれば、次のとおりである。 三月二十三日から始まった米軍の攻撃で秀幸は村中を裸足で飛び回った。二十四日の夜は日本軍の中隊の壕で寝たが、先日からの疲労が重なって元気がなく、その日は夕刻までそのまま中隊の壕で仮眠をとっていた。午後七時ころ、兵隊は戦闘準備に入り、秀幸は寝ているところを起こされた。金子上等兵は、明日いよいよ敵が上陸してくる可能性があるので、家族のもとへ帰ったほうがよいのではないかと勧めた。秀幸は迷った。そこへ木崎軍曹(当時は伍長)が来て、「家族の元へ帰って行きなさい」と言った。「はい」と答えて夕暮れに紛れて壕を出たが、高月山に登る道の頂上付近まできたところ、折しも猛烈な艦砲射撃に見舞われ、高月山の稜線を南に向かって進み、本部壕に転がり込むようにして避難した。その後、村の幹部が梅澤隊長に集団自決のための弾薬をもらいに来た場面に出会うのである。 秀幸は、このようにして、三月二十五日は、一度も自分の家族の壕には帰っていなかった。だから、午後八時ごろ、宮平恵達とつるの2人が役場の集合命令を伝えに来たときには、秀幸は家族の壕にはいなかったのである。 梅澤隊長が武器弾薬の提供を断り、村の幹部が引きあげる時、助役の宮里盛秀から秀幸は自分の家族もすでに忠魂碑前に集まっていると聞かされ、家族のことが心配で村の幹部の後について忠魂碑前まで来た。そこで家族と再会したのだが、当時十五歳の秀幸は、家族に会いたくて仕方がなかったので、窪地に母たちの姿を認めたとき、涙ぐんでしまったほどだった。こうした前後の経過から見ても、秀幸が二十五日は忠魂碑前で再会するまで家族とは会っていなかったことが裏付けられる。 役場の伝令が壕に来たとき、秀幸が家族と一緒に壕にいたかのように本田が誤解した要因の一つは、秀幸がその場面をあまりに生き生きと語ってみせたので、当然当人がその場にいたものと錯覚したのだと思われる。 本田ルポの中で秀幸の家族と役場の伝令員との会話が再現されているのは、忠魂碑前の窪地で家族から秀幸が詳しく聞き出した内容がもとになっている。秀幸は梅澤隊長が自決するなと命令していたことを知っていたので、役場の伝令員が壕を回ってどのように住民を説得したのか、強い関心をもって家族から詳細に聞き出した。先に引用した三月十四日付けの秀幸の「補足」文書でも、恵達が来たときの家族とのやりとりが、「ほい、ほい、誰かいるか。僕は恵達だが」と声を掛けると、「はい」と母が返事をし、祖父が「フカガリク[屋号]の恵達か?」と聞いた、というぐあいに、目に浮かぶように再現されている。このような話を聞けば、本田ならずとも誰しも語り手当人がその場に居合わせたと思い込むのは当然である。 これは、語り手としての秀幸の話し方の特徴にもなっている。秀幸は場面を描写的に再現する語り方をする証言者である。極限状況の中での肉親の体験は、自分の体験と同じである。秀幸は、自分の直接体験であるかのように伝令が壕に来たときの家族の体験を語ったのである。 秀幸の話し方にはこうした特徴がある反面、時刻についての記憶は揺れがあり、曖昧である。たとえば、梅澤隊長のもとに村の幹部がやってきた時刻を、午後九時頃としたり、十時頃としたりで揺れている。彼は時計を所持しておらず、月の高さでおおよその時刻を判断していたから、一時間程度の違いはやむを得ないだろう。もっとも、人間の記憶の中で、時間に関する記憶が最も曖昧になるという特性は誰にも共通することではある。 また、強く印象に残っていること、自分が是非語りたいと思っていることが、文脈ヌキに語られるという傾向も強い。秀幸の取材を始めた当初、あまりにもビビッドに語られるので、私も彼がその場にいたのだと錯覚した経験をもっている。時間の前後関係も、二十五日のことなのか、二十六日のことなのか間違って理解していたということがあった。私は一月以降、電話での会話を含めて合計百時間をはるかに超えるほどの会話を秀幸と交わしている。だから、どの話はどの時点に位置づくのか容易に理解できるようになった。いわば「宮平語」にかなり通 暁したわけである。 しかし、夜、数時間しかこの話を聞いていない本田が、意気込んで話す秀幸の話の位置づけを誤解したとしても決して責められることではない。また、時点と場所の確認を絶えず頭の中で脅迫的に遂行しなければならない宿命にある歴史研究者とは異なり、市井の人は、時間と空間を絶えず特定しつつ構造的に順序よく話をするというわけではない。時間と空間の位置づけが曖昧なまま印象的な場面を熱烈に語ってしまうという秀幸の語り方は、一般的な証言者の基準に照らして、特に欠点というべきものではない。むしろ、彼の映像的記憶に基づく的確で描写的な再現能力は特筆に値するというべきである。 以上のことを踏まえて、本田の文章を検討しよう。本田の文章では、行文上、役場の伝令に対して秀幸が、「じゃ、死ぬのはどういうふうに死ぬのか、って訊いた」ことになっている。しかし、これは秀幸が訊いたのではなく、秀幸の家族が訊いたのである。 秀幸は今回、本田ルポの記述を読んで、あまりのことに当惑し、本田は母・貞子に取材して聞いたことを書いたのではないか、文中「宮平さん」と書かれているいくつかの発言は、「宮平貞子さん」という意味なのではないか、という趣旨の感想をもらしている。しかし、私は、秀幸のこの推測は当たらないと思う。第一に、本田のような熟達したジャーナリストは情報源を読者が間違うような書き方は決してしないものだからである。第二に、もし、本田が実際に貞子に取材していたとしたら、当時の貞子は、「忠魂碑前には行かなかった」と証言したはずだからである。本田の座間味島取材は一九八七年、村史下巻の発行は一九八九年七月で、貞子への聞き取りはその前年か前々年あたりに行われと思われるから、時期的には重なるのである。 「伝達員があわただしく引き返して行ったあと、彼は考え込んでしまった」というのも、本田による場面の再構成であって、「彼(=秀幸)」とは関係のない出来事である。この場面も秀幸は、家族に成り代わって、迫真的に語ったのであろう。目に浮かぶようだ。本田の誤解は確定的なものになった。なお、本田は、「三男である宮平さんが数えの十六歳にして一家の中心的存在になっていたのである」と書いているが、秀幸によれば、一家の中心はあくまで母の貞子で、この表現は当たらないという。 「忠魂碑の前へは行かず、山に逃げ込めば生き延びる可能性もないではないが、それには命令違反のうしろめたさがつきまとう。しかし、宮平さんの気持ちは逃げる方に傾いていた。とはいっても、一人で断を下すには重すぎる問題である。いかにすべきかを、まず母貞子さんに問うた」。 このあたりからは、(1)役場の伝令が来たとき、家族が忠魂碑前に行くべきかどうか逡巡したという話と、(2)忠魂碑前で村長の解散命令があったあと、秀幸を含む家族が、このあとどうすべきか迷ったという話が、入り組んで混乱している。前者は午後八時過ぎ、後者は午後十一過ぎの出来事である。 右の引用箇所のあと、本田の文章では家族会議での各人の意見が一わたり紹介されている。しかし、秀幸が参加した家族会議は、宮平家の壕で行われたのではなく、村長が解散命令を出したあとの忠魂碑前で行われた。村長が解散と言ったので、忠魂碑前での集団自決はなくなった。しかし、それで家族にとって問題が解決したわけではない。それは、忠魂碑前での、村の幹部のお膳立てによる、軍からもらった爆薬を使った集団自決が取りやめになったことを意味するだけで、その後の行動は、家族単位で決めなければならなかったのだ。(このことは、改めて集団自決と軍の行動とが無関係であったことを証し立てるものでもある) すでに集団自決覚悟で晴れ着を着ていた秀幸の家族は、米軍の上陸が必至である以上、やはり自決するしかないと思いこんでいた。母・貞子は、米軍につかまって姉の千代が辱められることを一番恐れていたから、みんなで一緒に死のうと主張した。千代も同じ意見だった。祖父母は、足が弱って歩けないので、自分たちの家の壕に戻って死のうと言った。貞子と千代は、宮平宅に寄宿していた兵隊さんたちのいる整備中隊の壕に行って、顔なじみの兵隊さんに殺してもらうようお願いしようと主張した。結局、家族は貞子たちの意見に従う形で、祖父母の手を引いて、長時間かけて大和馬の整備中隊の壕に出かけることになった。このように、家族会議の末に、整備中隊の壕に出かけるという決断をした。 忠魂碑前では、概略このような家族会議がおこなわれたのであるが、本田ルポの記述では、シンジュの壕の中で、忠魂碑前に行くかどうかの話に置き換わってしまった。それはどちらも、家族全体がどう行動するか、という行為の選択肢を吟味するという点で同型の構造をもった場面だったから、容易に重なったり、すり替わったりすることができたのである。実は、私も秀幸の話を聞いて同じ混同をしたことがあったので、事情がよくわかる。 「いろいろと考えて、おふくろにこんなこともいってみたんです。母さん、死ぬのは簡単だけど、兄さんたちが生きて帰って来たときに、われわれが骨になっていたら、親きょうだいの姿もわからないというので、どんなに嘆くか知れない、とね。そうしたら、吹っ飛ばされたら、うちらばかりじゃなく、みんなそうなるんだから、って。じゃ、そういうふうにしようかということでーー」 これは、二つの場面が複合した結果、話が複雑に絡み合った典型的な箇所である。傍線の部分は、私も何度か聞いていることで、秀幸の基本的な発想である。母の反論はみんな同じだからというだけで秀幸の提起した問題に答えておらず、結論のまとまり方も唐突で説得力がない。 「宮平家の七人が忠魂碑の前に着いたのは、そろそろ午前零時になろうとしていたころであった」。 秀幸の証言では、午後十一頃に村長の解散命令があり、その後も窪地の所で宮平家の家族は一時間以上も家族会議を開くなどしてぐずぐずしていたとされている。すでに述べたとおり、時間についてのズレはやむを得ない。本田ルポでは、このあと、忠魂碑前の住民の上に照明弾が投下され、それから十分とたたないうちに忠魂碑をめがけて艦砲射撃が行われたので、居合わせた人々は逃げ出してしまったという、村の公式見解と一致する話が語られている。 ここで注目すべきことは、本田ルポには忠魂碑前での家族会議の話が全く出てこないことである。その理由は簡単で、忠魂碑前の家族会議の中身はすべてシンジュの壕での家族会議の話の中に吸収されてしまったからである。そして、そのようになった根本原因は、秀幸が村長の解散命令について完全に口をつぐんで語らなかったからである。 秀幸が本田に秀幸のペンションで話をしたのは、本田が書いているとおり、取材を受けた日の夜十時ころから数時間であっただろう。その後秀幸は、本田の原稿を事前に見たわけではなく、活字になったものもこの度初めて読んだので、本田の文章の錯誤に秀幸が責任を負わなければならない理由はないのだ。 沖縄タイムスにとっては、本田ルポをもとに、宮平証言は信用できないとキャンペーンを張りたいところであろう。また、今後、秀幸証言がマスコミの記事になるときは、必ず、「宮平秀幸は本田ルポで過去に違うことを言っているから信用できない嘘つきである」という類の攻撃をかけてくることは間違いない。しかし、それこそ、笑止千万というべきである。その論理は、長い間発言を封じられ、心ならずも嘘をつかざるを得なかった人物が、決心して真実を語ったとき、その内容の真偽ではなく、その人物が過去に虚偽を語っていたという事実をもってその証言がすべて信用できないと論じているのと同じだからである。(以上) 藤岡意見書(大阪高裁提出資料)1/3 藤岡意見書(大阪高裁提出資料)2/3 沖縄集団自決訴訟第2審
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"ここ1ヶ月くらい、咳が止まらなくて困っています。 咳が出るタイミングは、エアコンをつけた時が多いです。 除湿されることで、喉が乾燥してしまうのかもしれません。 咳をすることで困ったことも起きています。 実は咳でおもらししてしまうのです。 年をとったせいか、少しゆるくなったのかもしれません。 そにたびに下着を着替え、服を着替えなくてはなりません。 このことは主人はまだ気がついていないようです。 咳も辛いですが、今はおもらしも気になっています。"
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触れ合う手でただ 答えをあわせる 誰もが抱いた ささやかな願い 涸れることのない会話を溶かして 時間を飲み干す セピア色に変えていく 開かれた口が残酷に告げる 願いは剥がれて 粉々に朽ちる 交わした言葉の切れ端をなぞり 明日を想った 今に消えるのに 白い布地 赤く絵を描いて弱く笑う 冷たい手は 足音を立てる終わりを知っている あなたに贈る花束のように 想いを統べて 世界を塗り潰す 赤い花びら 窓辺に揺れて 痛みがそっとこの身を渡る 触れ合う手でただ 答えをあわせた 誰もが抱いた ささやかな願い 涸れることのない会話を溶かして 時間を飲み干し セピアに変わった 叶えられることのないいくつもの約束と 予め全て決められていた命に縋って いたずらに穿った その眼を閉じている 全てわかるから この口も噤む 色の無い街 真空の庭 呼吸をやめて見下ろしたら 微かな熱の残りを抱いて 今あなたに 会いに行くよ あなたに贈る花束のように 想いを統べて 世界を塗り潰す 赤い花びら そっと放って 痛みで きっとこの身を包むように
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カントとサド (脚注は別ページ) 我々の議論はここで中断して、屈辱の約束をここで投企する苦痛が、カントが実際に道徳経験を含意していると認める明示された言及に一致することを思い出そう。サド的経験で苦痛が望んでいるものは、ストア派の技法を解体しているものを通して近づくことで、よりよく見える。それは軽蔑である。 サド的経験ではエピクテトスが再び戻ってくることを想像しよう。《わかるだろう、君が壊したのだ》と脚を指差しながら彼は言う。享楽をその探求がつまずくような貧窮に向かわせること、このことは享楽を嫌悪感へと転じないだろうか。 このことは、享楽とは、それによってサド的経験が変化するものであるということを示している。というのも、享楽は意志を独占することを投企するためである。それは享楽が、恥じらいに到達することで彼岸に生じさせる主体の内奥に身を置くためにすでに意志を通過したあとでのことであるが。 というのも、恥じらいは存在状況の両受体であるからである。その両受体の間では、一方の恥じらいのなさがそれだけで他方の恥じらいを侵害している。一つの水路が、もしそのようなものが必要であったとしたなら、<他者>の場所で主体が断言することについて我々が最初に言ったことを正当化する。 <他者>の中でこだまに吊り下げされることで不安定になるこの享楽を調べよう。享楽は、享楽を耐えられないものと結びつけ、順々に享楽を撤廃することでこだまを呼び起こす。最後には、享楽がただそれ自身だけで、別の恐ろしい自由にまで高まるように見えないだろうか。 それに、カントによれば道徳経験に欠けている第三項が明らかになるだろう。それはつまり対象であるが、<法>を実現することにおいて意志に対してその対象を保証するために、カントは対象を物自体の思考不可能性へと送り返さざるを得なくなっている。サド的経験ではこの対象が、その接近不可能性から降ろされ、拷問執行者の現存在(Dasein)としてあらわになっているのではないだろうか。 先験的なものの不透明性が残らないわけではない。というのも、その対象は奇妙に主体から切り離されるからである。その格率の伝令官がここで放射点である必要しかないことを観察しよう。その放射点はラジオの声かもしれないが、フランス人がサドの訴えに同意したであろう努力の追加に促進された権利を呼び戻す点である。そしてその格率は再生された共和国の組織的な<法>となるのである。 このような声の現象、とりわけ精神病の声の現象は、まさにその対象の側面である。そして精神分析はその黎明期には、良心の声をその声の現象に関係づけることから遠く離れてはいなかった。 カントがどうしてこの対象を先験的感性論のあらゆる決定から逃れるものとみなすかがわかる。その対象が現象に関するヴェールの何らかのこぶに現れないことはないにしても、それは宿無しであったり、直観における時間であったり、非現実に位置づけられるモードがなかったり、現実における効果がなかったりするわけではない。それはここでただカントの現象学が欠けているのではなく、狂っている声までもが主体の観念を押しつけるのであり、法の対象が現実の<神>の悪意をほのめかしてはならないのである。 確かにキリスト教主義は、人間を神の享楽という側面にほとんど注意を向けないように教育した。このようにして、カントは<法>のための<法>という彼の主意主義を通用させたのである。<法>のための<法>はストア派の経験のアタラクシアを誇張していると言われるかもしれないが。カントは、彼の神は顔がないということを見たことでその向こう側に垣間見たものの息を詰まらせるため息の中で、サドではなく神秘主義者のような人からあまりに近くで聞いたことの圧力下にいたと思われるかもしれない。顔無しの神は恐ろしいもの(grimmigkeit)だろうか?サドは言う。至高悪の存在と。